酒井寛 著
2011年9月刊
四六判/並製(仮フランス装)/278ページ
ISBN978-4-7660-0172-3
『暮しの手帖』創刊より30年の間、編集長をつとめた花森安治。名編集長と呼ばれた花森安治の仕事に対する取り組みがよくわかる一冊です。1988年に朝日新聞社より出版された第37回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した名著復刻です。
目次
編集長の二十四時間
伝説の人/暮しの手帖研究室/おかずの学校/三つの机/編集会議/編集部員/陽性の癇癪もち/花森の文章哲学/「手帖通信」/しかられた社長
大学卒業まで
生い立ち/松江高校時代/「帝国大学新聞社」時代/「パピリオ」時代
大政翼賛会のころ
大政翼賛会宣伝部/幻のポスター/報道技術研究会/「欲しがりません勝つまでは」/庶民感覚のなんでも屋/宝塚歌劇/もうひとつの見方/戦後への屈折
「手帖」創刊の前後
女の役に立つ出版/ベストセラー「スタイルブック」/「美しい暮しの手帖」へ/「一流の偉い先生」が執筆者/広告収入のない雑誌/スカート神話の虚実/編集も行商も/三羽烏の交友
商品テストへの挑戦
前人未到の分野へ/象徴ブルーフレーム/しろうとが編み出したテスト方法/三種の神器のテスト/完全主義のテスト/アメリカ製品の凋落/「コンシューマー・レポート」の教訓/花森の性格と商品テスト/「水かけ論争」の勝利
写真帖から
一銭五厘の気概
戦争についての発言/一銭五厘の旗/死の予兆/花森安治の遺産
あとがき
関係資料
文庫版あとがき
「花森安治の仕事」と酒井寛・・・・・・有馬真紀子
[装画]
安野光雅
[題字]
大橋鎭子
著者
さかい ひろし
1953年東京大学文学部社会学科卒業、朝日新聞入社。
仙台支局、東京本社学芸部をへて編集委員。
著書に『新風土記』、『新人国記』(ともに分担執筆、朝日新聞社)など。
本書で、第37回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。