戦中・戦後の暮しの記録 君と、これから生まれてくる君へ

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『暮しの手帖』編集部 編
2018年7月刊
B5判/並製/312ページ
ISBN978-4-7660-0209-6



『暮しの手帖』創刊70周年記念
出版あの日々をどう生きたか。
手記、手紙、絵、写真――157の体験
これが戦争なのだ。

『戦争中の暮しの記録』(1969年刊)から約50年――。
ふたたび『暮しの手帖』は、戦争体験の手記を募りました。今回は、戦時中の記録に加え、戦後の混乱期のできごと、そして戦後生まれの方には、体験者からの「聞き書き」での投稿も呼びかけました。この募集に応じて届けられた2390通の応募作品から、157点を選び、まとめたのがこの一冊です。本書は、庶民の戦中・戦後の暮らしがわかる貴重な記録であり、あの戦争を生き抜いた方々からの、いのちのメッセージ集です。


目次

巻頭言:君という美しい命は、
偶然灯された一閃の光だ

巻頭9稿
ちょっと着てみてくれないか(森定子)/スイカ(金野乙女)/トンネルの中から(村杉美枝)/どうぞ生き延びて(長尾広志)/日本の空は鉛色だ(大畑圭子)/親子丼ひとつ(添岡睦雄)/内モンゴルの天国と地獄(神田一恵)/ボール送り(伊藤啓子)/原っぱで(中島志津子)

Ⅰたいせつな人
いってらっしゃいませ
清水さんを思う(船坂まり)/ご飯が光る春のすし(三上八郎)/飛行機乗りのキャラメル(尾山義雄)/航空元気食(吉井成江)/シンガー九九W100の供出(齋藤秋子)/愛犬アドヴィン号(毎田至子)

出会いと別れと
ケイコと結婚(杉本幸雄)/角砂糖と弟(黒津由子)/兄の棺(下田育梨子)/よい人だから(木澤文子)/明日は会えるな(浜口乃武子)/約束の椰子の実(綿森淑子)

絵・写真と文
父と(岩橋久子)/日の丸で送る(梅沢かよ子)/釣り鐘の出征(岡田サノエ)/金属供出(絵・大平渡/石川隆子)/父の出征の日(矢野國輝)

Ⅱ空から恐怖がふってくる
忘れられないあの日の記憶(今井淑子)/これが私の家?(佐南谷雅枝)/今ここに爆弾を(杉山智壽子)/黒焦げののらくろ(長橋京子)/ダダダダーッと機銃掃射(青木繁明)/はぐれ焼夷弾(河津一哉)/弾があたりませんように(山口省悟)/みっちゃん、早よう(宮内道子)/恐ろしい一夜やった(宮内智子)/「火だ?」「火だ?」(鈴木愛子)/逃げながら仰いだ夜空は(福田敏子)/和子ちゃん(深井玲子)/幽霊みたいな母(北永量子)

絵・写真と文
叔父の遺した絵(絵・濱田貫太郎/小倉絹枝)/田中さんの紙芝居(田中一郎)/高見さんの紙芝居(高見省一)/壕の中(川瀬泰子)/焼夷弾の恐怖(前田孝正)

Ⅲ何と戦っていたのだろう
飢える日々
千鳥の着物(永田眞璃子)/一房のぶどう(政野紀子)/きょうの配給は何?(篠野欽子)/窮乏生活の実態(岡本春子)/奇跡の鮭缶(後藤眞吉)/イナゴの味(寺西紀海子)/オエシイおばさん(山下和子)/もう牛に戻りたくない(内山策郎)

生きぬくために
供養の花作り(谷川圭子)/連結器の上の母(松村正道)/笛吹川を渡る(渡井せい)/平手打ち(信吉貴美子)/友ちゃんはいいなあ(小野寺友子)/パンを持って帰れる日(山本里美)/パン子の話(太田雅子)/一升瓶米搗き法(松田祥吾)/着物のいのち(大塚育子)

写真と文 
合同防災訓練(遠山栄子)/もんぺ姿の結婚式(亘正幸)

松本愛さんの戦中絵日記
(松本愛)

Ⅳふるさとが戦場に
目の前に敵が
天の神様が見ているよ(松川敏子、大城春子)/チョコレートを踏んづける(我喜屋敏子)/死に場所を求めて(川崎昌子)

私の目にした原爆
食べ残された水蜜桃半分(村木千鶴子)/五月の空に思う(?田弘子)/十三歳の看護(橿原壽子)/その人が父だとは(有田澄子)/母の二十歳の夏(山地順子)/生き残りは三人(深見ミカエ)/左手で書かれた手記(木下禾大)/廃墟を散歩(花村伊都子)

絵と文
シーちゃんと対馬丸(上原清)/整然と並んだ頭蓋骨(西村寿子)

Ⅴ弱き者は守られたか
生まれてはきたけれど
みんなで泣きじゃくる(川島悦子)/戦時下の小学校(萩原淑之)/精神棒(谷ヶ﨑正衛)/厭戦歌を歌っていた(西村光雄)/私はスパイになって(鈴木都)/溶けてしまった傘(恩田恭子)/母はいつねむっていたのだろう(丸山公子)/お嫁の貰い手がない(椿千鶴)/私の疎開(関純子)/迎えのこない日々(原邦子)/生きているのが不思議な毎日(菊地美香)/唱ったのは軍歌(今村咲子)/しゃんとせんとな(直井園生)

異国の人
中国人の視線の記憶(津金澤聰廣)/日本軍の捕虜となって(チャールズ・ウィリアムズ)/十五の夏の二人の私(本間浩)/「アイゴー」の叫びむなしく(松尾諭佐美)

写真と文
集団疎開(髙嶋悠光)/出征する私(勝山惠子)/二歳の私とお人形(鳴尾紀子)/神風の鉢巻き姿で(小野瑞子)/西宮空襲を四歳で(小西壽美子)/疎開先、西那須野の暮らし(上妻絢子)/戦争千代紙(浅井典子)

戦中・戦後アルバム
いつの日か家族五人で(眞鍋正子)/全員無事帰還(山口月子)/上海で従軍看護婦に(石橋志づ子)/リンチ事件(勝吉峰子)/お嫁さんになりたい(藤井敏)/台湾、空襲下に挙式(友野清子)/今度くるとき灰の町(菊池八千代)/本州へもどろう(桑島和子)/最後の皇帝が入居(本村節子)/樺太で家族と(三浦孝治)/いつもこの晴れ着(松﨑美登里)/少年飛行兵となった兄(眞島ユキ子)/もんぺ姿の看護学生(宮崎ひろね)/叔父の出征祝い(鴨志田純子)/平壌からの引き揚げ(野中孝子)/日の丸を振る一歳(杉江ヨシエ)/台湾のバナナの畑に(吉田陽子)/帰って来た兄さん(矢島京子)/女ばかりで(鈴木禮子)

疎開先の和子へ
(山中和子)

僕は満州で中学三年生だった
(山本好昭)

Ⅵ遠き丘から
夢の新天地・満州
抱き人形(相原由美)/背中で静かになった子(井沢拓也)/兄弟は一枚岩(大和田初女)/夕焼けの祖国(矢川征男)/ひろしが生きていたら(近藤稔)/兵隊さんも船も消えた(藤井春子)/迎春花のハイラル(伴野サエ) 

私の国はどこ
初めて桜を見た日(秋吉任子)/夫に会いに海南島へ(岩井ちえ)/おとなが泣いた(荒井冬子)/択捉からの脱出(大條幸子)/硫黄島、引き揚げの日(渡部敦子)/舞鶴港の引き揚げ者(安達幸子)

絵・写真と文 
撫順の私(宇野勝子)/満州での出来事を話さない父(上山詩織)/牡丹江の日々(西村慶喜)/青春の満州(小笹世都子)/亡き父からの軍事郵便(平益子)/大連で終戦(西郷恭子

Ⅶ未来はどっちに
敗戦直後の混沌の中で
いとこのこと(永栄ひろこ)/陸軍病院で(松本千代乃)/黒い集団(大社幸子)/小さなイモ(白野新)特攻帰りの兄(三浦幸夫) 

戦争は本当に終わったのか?
親友家族との暮らし(陶山良子)/相模原開拓物語(大澤はず江)/白河社交舞踊研究所(薄井俊一)/アメリカの味やな(牧村勲)/コーラの紙コップ(鳥海峰子)/放たれた仔犬のように(岩船美津子)

 

絵・写真と文
音楽部の仲間(中山英雄)/みんな土足(中井侑子)/日本でアメリカ修業(山下要子)/体を寄せあって(齋藤百合子)/わたしがこどもだったころ(神戸留美子)/鐘の鳴る丘(山口月子)

暮しの手帖編集部より
今、私たちがどこに立っているかを考えてみたい(勝屋なつみ)
結晶化された苦しみの記憶 あとがきにかえて(澤田康彦)